【祝!!】ATATA 1st Mini Album「JOY」全国流通盤。6月1日リリース!!
先日6月1日、ついにATATA 1st Mini Album「JOY」の全国流通盤がリリース! 第1弾インタビューに続き、今回はなんと「『JOY』全曲解説!」ということで再びVo奈部川光義氏にお話をお伺いできました!
それぞれの曲に込められた想いやエピソード、意外な作詞方法まで、、、最後まで目が離せない、天下一品もびっくりの濃厚さ!
『JOY』を全曲聴いてからインタビューを読むもよし。インタビューを読み終わってから改めて聴くのもよし。右目でこの記事を読みながら左目で歌詞カードを読み、さらにアルバムを聴くという人間離れした技を繰り出すのもよし。 あなたのお手元の『JOY』がより一層楽しめること間違い無しです!!
01. Newborn 「これから育つ子供たちは「新人類」になれるのかもしれないって気がして」
photo by 冨田味我
[AIR]
改めて前回のインタビューありがとうございました!今回は『JOY』全曲解説ということでよろしくお願いします!早速ですが 「Newborn」から順番にお願いします。
[奈部川光義 ]
おっ。では早速行きますか。。。
まず、俺たちの曲の作り方って最初はノープランで、、例のごとくノープランで始まって(笑)2曲くらいできて行ってなんとなく全体的なイメージが見えてくる。
[AIR]
ノープラン(笑)
[奈部川光義 ]
そう(笑)で、「この曲があるから次はこういう曲が必要だろって」考えて作って、それができたらさらに「足りない部分の曲を作っていこう」って補強していく感じで。最初にキーになる曲が1曲できるとそこから始まる。今回は6曲で全部補強できるなって思った。
この曲は「俺たちなりのハードロックを作ろう」ってなって色々ふざけてる内に作られて行って、、(笑)「あ、1曲目っぽいな」っていうのがなんとなくあった。
[AIR]
確かにオープニングテーマのような、、イントロから「新しい世界の扉が開いた」ような印象を受けました。歌詞はどのようなイメージですか?
[奈部川光義]
歌詞を作る時に「1曲目。。。3年ぶりのリリースか。。」って何を打ち出したいかを考えたら「3年後の俺たち」だなって。1曲目だから最初に「オッサンになった自分の未来」をちゃんと歌いたかった。で、たまたま「Newborn」って言葉が引っかかった。
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
最近いろんなツールが発達する中でどんどん「憎しみだらけ」の世界に見えてきてて。「憎しみ」は昔からあったんだろうけど目には入ってこなかった。俺が小さい頃はネットもなかったから、そういう「憎しみ」が近くにはなかった。遊ぶことしか考えてなかったし。でも今はネットの動画サイトとかで犯罪とか暴力の映像って探せばすぐに見れちゃうじゃん。
[AIR]
インターネットは検索してなくても見たくない情報が急に飛び込んできてしまう可能性もありますもんね。。
[奈部川光義]
そうそう。「憎しみ」が近くにあるって感じてて。これって凄く残酷だなって思って。これから生まれてくる子供たちは凄い世界に生きていかないといけないんだな、なんて大変なんだろうって。じゃあ、少なからず俺が死ぬまでに世の中を良くしたいな、、みたいな気持ちもありつつ、、、「いや、まてよ」って。
最初から全部用意された世界の中で育ったら逆に強くなるんじゃないの?っていうのも思い始めて。何でも手に取れる、用意されてしまっている分もがき苦しむのかもしれないけど、その中で育ったら自発的に「選択すること」を覚えるんじゃないかな。
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
今はその過渡期で混沌としてる時代に生きてるんだけど、これから育つ子供たちは「新人類」になれるのかもしれないって気がして。「俺は俺で、もがいて世の中を良くしようと思うから、今生まれた子供たち!がんばれ!」ってことを歌いたかった。ケンタくん(岩田健太a.k.a.鰯 Key)も新しい子供が生まれたばかりで、そういうのもあって余計に考えちゃったんだよね。
この子たちはこの子たちできっと乗り越える。今もきっと乗り越えてるんだと思うし。恐竜じゃないけど、みんなその時の環境に応じて進化するって気がしてる。
[AIR]
そのイメージをあの言葉に落とし込んだ表現方法が凄いです。。。言葉の選び方というか、言い回しも独特ですよね。
[奈部川光義]
歌詞の作り方が少し特殊で、、言葉のボキャブラリーって一人じゃ限られるじゃん。で、歌詞のテーマを決めるとケンタくんに手伝ってもらってて。
「客席に飛び込む岩田健太a.k.a.鰯 Key(写真中央)」ツイッターより引用
[奈部川光義]
ケンタくんって言葉を超いっぱい知ってて。どんどん出てくるの。深くはないんだけどね(笑)
曲のイメージを文章にして「こういうことを歌おうと思ってるから今この言葉を聞いて思い浮かぶ単語をいっぱい出してくれ」ってお願いするの。
それで大量の言葉が送られてくる。俺の語源のベータベースだよ(笑)人が変わると言い回しが変わる。
[AIR]
語源のベータベース(笑)なるほど!ブログとかに綴るケンタくんの文章って熱量が凄いし引き込まれます。言葉の幅も多彩ですよね。
[奈部川光義]
ね。歌詞は俺一人で書くと絶対行き詰まるから打破するためにケンタくんに手伝ってもらうっていう。最初からそのスタイルで。特にHIPHOP好きだから韻を踏みたくて。単語のヒントをいっぱいもらえるとやりやすいよね。
で、とにかく「ニューボーン」は「俺たち流のハードロックだ!」ってことで(笑)
[AIR]
バサッと纏めましたね(笑)
02. Reverberation 「夏ほど人を狂気にさせるものはない」
photo by 冨田味我
[AIR]
激しい曲でカッコイイですよね。イントロはマーシーさん(金田 雅史 Ba)のゴリゴリのベースから入って、、、
[奈部川光義]
この年になって「ベースから始まる曲って、、パンクでしょ?パンクってベースから始まるっしょ?」っていうのがあって(笑)
[AIR]
(笑) こちらは残響のオムニバスに収録されていた曲ですよね。
[奈部川光義]
そう。残響の社長から「周年でオムニバス作るから。自分の好きなバンドを呼びたい」ってオファーをもらったの。オムニバス出したらそれのレコ発もやりたいって言ってて「あ。なんかストーリーあるな、やります!」ってなった。
どういう曲を入れようかってなった時「多分、残響に所属してるバンドは曲名に残響ってつけないだろうな」「じゃあ俺たちがつけちゃえ」っていうことで「Reverberation」ってタイトルになった。
[AIR]
「じゃあ俺たちがつけちゃえ」(笑)なるほど、タイトルが先に生まれたんですね。
[奈部川光義]
そう、タイトルから。先にタイトルつけてイメージを作ることが結構ある。これは「残響」っていう曲を作りたいって。じゃあどういう歌詞にしようかなって思った時に「夏の狂気」を歌うことにした。
[AIR]
夏の狂気(笑)
[奈部川光義]
みんな夏好きじゃん?でも俺、夏が一番嫌いで、、(笑)夏ほど人を狂気にさせるものはないなって。良くも悪くも。俺自殺するタイミングがくるとしたら夏だなって(笑)
[AIR]
やめてください(笑)
[奈部川光義]
暑さでおかしくなるよね。はっちゃけるイメージもあるけどさ。「お前らが思ってる夏はそんなやつじゃないんだ」みたいな(笑)で、それを色んな人に言ってたら夏嫌いな人結構いたっていう。
夏ほど「疎外感」を感じる季節ないよ。雨の日と冬って平等だなって。なんでかって言うと夏ってイケてるやつは超イケてるし楽しいじゃん。でも夏が嫌な人ってトコトン嫌じゃん。で、冬ってその差があまりない気がしない?イケてるやつもイケてないやつも大人しくしてる感じが。あ、クリスマス以外は。夏の期間ってイケてるやつがず~っとイケてるんだよね(笑)
[AIR]
たしかに夏はSNSを開けば「海行った」だの「山行った」だのでイケてる人が増殖しますね(笑)
[奈部川光義]
そうそう。イケてるやつはひたすらイケてる(笑)格差を感じる、それが俺の夏のイメージ。格差!歌詞を読んでもらえたら俺がいかに「夏が嫌いか」が解ってもらえると思うから!!
[AIR]
(よっぽど夏が嫌いなんですね。。。)
03. Clark Kent 「大変だけど悪くない人生なんじゃね」
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
この曲は元々は「岩田健太」ってタイトルで、、、
[AIR]
すいません。いったん理解する時間をください(笑)
[奈部川光義]
(笑)いつも曲作るときは「デタラメ英語」みたいな宇宙語でメロディーを歌ってて、それを日本語に落とし込んでいくんだけど、メロディ感を伝える時に日本語にしたほうが他のメンバーもイメージがしやすいのね。曲が出来てから歌詞を書きたいタイプだから。で、伝えやすくする為に曲の中で「岩田健太」ってキーワードだけでひたすら歌ってて(笑)
[AIR]
タイトルだけではなく歌詞まで「岩田健太」だったんですね(笑)
[奈部川光義]
「いわたけ~んた~♪いわた~いわた♪いわたけ~んた~♪」みたいな(笑) それをテープに吹き込んでみんなに渡して、、、そしたらそれが流行った(笑)
その後、Twitterでふざけて「岩田健太」でみんなで韻を踏んでくれ!って呟いたら結構みんなが参加してくれて(笑)それを全部「お気に入りに」に登録しといて後で一覧にしてって感じで。。で、ここから「岩田健太」の事について歌詞を書いてやろうと思って。
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
この曲はケンタくんの事を歌ってる。彼の「子供が生まれる前」「子供が生まれた後」そこで変わった部分っていうのを俺なりに想像して。「子供が生まれるとこうなる」っていう。まぁ、一例なんだけど。家庭を持って仕事もちゃんとやるようになった。だけど夜になると今だに音楽に接している。これは大変だけど悪くない人生なんじゃねって事を歌いたくて。
[AIR]
と、いうことはタイトルの「Kent」って、、、
[奈部川光義]
「ケンタ」っていうのをどっかで分からせたいなと思ってて。色んなタイトル考えてて、、タバコの「KENT」とかあるでしょ?(笑)その「KENT」ってケント紙のケントだからそれでも、、、いやでもわかりづれぇな、、って。
まてよ、週末バンドマン、、、平日サラリーマン、、、あ、これスーパーマンだ。ってなって。
スーパーマンの名前って、、クラークケントだ、、、ケント、、、ケンタ、、、いけた!できた!! って(笑)
[AIR]
なるほど(笑)この曲の最後のサビの部分が「夕暮れ サヨナラと手を振り 〜〜」と風景を描写する歌詞になっているのですが、これもケンタくんのイメージって事なんですね。
[奈部川光義]
そう、ケンタくんって子供を保育園に連れて行って、、迎えに行ってとかTwitterでもよく言ってるけどそのイメージ。子供を迎えに行って、保育園の他の子供達みんなにバイバイして、、子供を後ろに乗せて自転車で帰っていく感じとかの絵が浮かんで。
ケンタくんをモチーフにしたけど仕事もあって家庭があって子供がいて、それでも好きな事をやってる人っていっぱいいるじゃん。音楽だけじゃなくて。俺たちはたまたま音楽がライフスタイルだけど、音楽じゃなくても似たようなライフスタイルの人って多分すげぇいて、そういう人たちに届けばいいなって思ってて。「スーパーマンに今でもなれるんだぞ!!」って。
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
あ、ちなみに歌詞の一番最初の「言わば変化」は「岩田健太」で韻踏んでる(笑)今偉そうに喋ってるけど「何だこれ」ってなるね(笑)ふざけてるだけだよね(笑)
[AIR]
めちゃくちゃ面白いですよ(笑)そういえば、この曲のイントロはパワーコードで「ジャジャジャ」って刻んでますね。印象に残ってます。
[奈部川光義]
あれとかも、俺らが「昔やってたけど今はやらない」っていうようなフレーズをちゃんとやろうぜって話になって。さっきの「Reverberation」のイントロがベースからっていうのもあるけど、昔やってたことをちゃんとアップデートしてやりたいってのがあって。ベタなことを怖がらずにやろう!って。
[AIR]
なるほど。何かきっかけはあったのですか?
[奈部川光義]
JOYを出すまでの間に色々な経験があって。やっぱりライブの経験がでかくて。KEMURIとのAXの時も残響祭のZepp ダイバーシティ東京の時も、自分たちの出番が終わって他のバンド見てたんだけど、、ライブハウスと同じ音の鳴らし方じゃ伝わらないこともあるんだなって。その状況に応じた音楽の気持ち良さってそれぞれ違うんだなって思って。
photo by 島卓也
[奈部川光義]
俺、今までライブハウスしか知らなかったから初めて大きいところでやって、、例えばACDCみたいな感じでスタジアムでギターを「ジャーーーーン」ってやるだけっていうかっこよさってあるんだなって。40歳にして初めて気づいて(笑)
で、気づいて「じゃあそういう場所に置かせてもらった時にちゃんと届く曲もやりたいな」って。だからこういう曲をあえて作った。
[AIR]
なるほど!今度出演する[SATANIC CARNIVAL’16]でも映えそうですね。
[奈部川光義]
そうそう。イントロのパワーコードを「ジャッジャッジャッジャッ」ってやって、キッズたちも「お!ATATA!聞ける!」「聞きやすいかも!」みたいなね(笑)
PIZZA OF DEATH MANAGEMENT Presents
[SATANIC CARNIVAL’16]
2016.6.4 (土)
幕張メッセ国際展示場9〜11ホール
More Info:http://carnival.satanic.jp/2016/
04. 1 Nite Wonder 「夜の歌詞はギルティー」
[奈部川光義]
これは元々はレコードストアデイでフレイクからシングルを出すことになって作った曲。シングルの片面はブラーのカバーで。1曲しか入らないからキラーチューンじゃないといけないと思って。すげぇ解りやすくて、踊れて、歌えて、手拍子もできて、アンセムでっていう俺らの音楽的な長所をすごく凝縮したっていうか良いとこ取りしたみたいな感じ。
この曲ができて、だんだん「JOY」の世界観が見え出したっていう感じはあった。
[AIR]
こちらの歌詞はどういうイメージで書かれたのですか?
[奈部川光義]
またこれも、、、暗い話になるんだけど、、、「夜も魔物」じゃないですか。
[AIR]
夜も魔物(笑)
[奈部川光義]
ほら、夜中に書いたラブレター朝に読めないじゃないけど(笑)やっぱり夜中って何か降りてくるよね(笑)それを歌ってみたいなって。魔物のまんま歌ってみたいって思って書いた。夜の自分の方が、、うまく言えないけど「魔物が憑いてる自分」も好きっちゃ好きみたいな(笑)
天気が良くてギラギラしてる時の方が恐怖、、さっきReverberationでも言ったみたいな「狂気」がある感じがしてて。
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
例えば線路に飛び込んで自殺するのとかも夜中にはあんまりない気がしてて。歌の最後に出てくるんだけど「警報音 プラットホーム」とかなんかそのキーワードがあって。ポジティブに見えているけど実は昼間の方がバイブスやべぇんじゃねーか?って(笑)今よくよく考えたら夜中は電車走ってないだけなんだけど(笑)自分が歌詞書くのって夜の方が進んだりする。「魔物」のせいで。
ちなみに池谷くん(池谷龍人 Gt)は「夜の歌詞はギルティー」って言ってた(笑)
First 7inch EP
ATATA『2 SONGS EP』
FLAKE SOUNDS / FLAKES-096 / ¥1,296 (in tax)
※SOLD OUT
05. Song Of Joy 「人に訴えかけるエモーションがある」
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
この曲のアイデア自体は俺が昔やってた「Oatmeal」ってバンドで最初の頃に作った曲が元になってる。当時たまたま1曲まるまるポンとできちゃって。それをテープに入れて自分で聞いてみて「良い曲なんだけど、、俺が歌う歌じゃねーな」って、なんとなく思った。いつか歌の上手い女の子とか知り合ったらその子にあげようかなーって考えてた。
[AIR]
Oatmealの頃から原型があったんですね。
[奈部川光義]
で、最近になって曲のアイデアを出し合ってる時に「あ、そういえばあの曲があったなー」っていうのを思い出して、合うかどうかわかんないけどってメンバーに聞かせたら「悪くないじゃん」「いけるんじゃね?」って言ってくれて。じゃあみんなでアレンジしてみようって始まった。メロディーは元々の曲を引き継ぎながらサビは池谷くんがアレンジしてガラッと変えてくれたり。
作っていく最中で「お~お~♪」ってスタジオでなんとなく歌ってたら「あ、これいけるな」ってなって採用して。みたいな感じで出来上がって。で、ライブでやるけどまだ題名はない状態で(笑)
[AIR]
セットリストにとりあえず「新曲」って書くパターンですね(笑)
[奈部川光義]
それ(笑)でも、ライブの前日に突然「Song Of Joy」って言葉が浮かんで「あ!これだ。」って。翌日のライブでメンバーには何も言わずに「じゃあ次は新曲「Song Of Joy」です」って突然MCで言って(笑)それが、、1年前に横浜でやったQomolangma Tomatoとの2マンの時だったな。
[AIR]
メンバーの皆さんも驚いたでしょうね(笑)
[奈部川光義]
そう(笑)メンバーみんなの顔見たら「えっ」みたいな(笑)目が点になってて(笑)でも、ライブが終わって後から池谷くんが「ぴったりだ」って言ってくれて。タイトル決定。
[AIR]
ここからアルバムタイトルの「JOY」に繋がっているんですよね?
[奈部川光義]
「Song Of Joy」ができて「Newborn」ができて「Clark Kent」も、、、って曲ができて行く中で「アルバムのタイトルどうしよう」って段階まできて。で、これは好みの話なんだけどアルバムのタイトルに意味のある言葉を並べるのってあんまり好きじゃなくて。例えばすごく長いタイトルにしちゃうと、それしか意味がなくなっちゃうから。そこに関しては無機的にしたくて。
だからATATAの1stアルバムもバンド名がタイトルだったし。だいたいバンド名自体に意味がないしね。AとT並べただけだからね(笑)今回もそういう風にしようと思ってたんだけど曲が揃っていく頃に「これ、意味があるタイトルにした方が良いかも。逆に。」って思い始めて。
[AIR]
確かに今まではそうでしたよね。タイトルに意味を持たそうと思い始めたきっかけは何ですか?
[奈部川光義]
「Song Of Joy」って曲は多分すごく人に訴えかける感じのエモーションがあると思って、だったらエモーションのある言葉でいいじゃんって思ったから。だから「Song Of Joy」がなかったらこのアルバムタイトルにはなってなかった。
よくメインの曲がそのままアルバムタイトルになるパターンってあるじゃん。それでいくと本当はアルバムタイトルが「Song Of Joy」、、いや「Songs Of Joy」だったのかもしれないけど「いやちがう」「もっと削ぎ落とそう」って。
シンプルにしていろんな人が自分にとってイメージできる言葉にしたかった。じゃあみんなの最大公約数を考えて行ったら「JOY」「喜び」だって。なぜなら俺たちがバンドで今置かれてる状況って一言で言うと「喜び」だから。アルバムを出す俺たちが聞いてくれる人に何を伝えたいかっていうのは「生きる喜び」しかない。「◯◯の喜び」その◯◯の部分はみんなそれぞれ違うから、それぞれイメージできるかなって。
06. The Next Page 「ドキュメントとして聞いてほしい」
[奈部川光義]
この曲はLEF!!! CREW!!!が初めて公式で売るMIX CDのために提供した曲で。歌詞を変えて今回の音源に入れた。
[AIR]
「Song Of Joy」の壮大なイメージでアルバムを終わらせず、この曲で締めるという所に何か「大きな意味」を感じました。
[奈部川光義]
6曲が全部並んだ時に本当は「Song Of Joy」が最後に来るかなって思ったけど「いや、違うな」って。
ジャッキーチェンの映画を見てると最後にNG集が来るみたいな。
[AIR]
ジャッキーチェン(笑)確かに流れますよねNG集。あれ、好きです。
[奈部川光義]
テロップが流れてる時に上の方にワイプが出てて「やべー落ち方しちゃう」とか「当てないつもりが殴っちゃう」みたいな(笑)その感じで最後に入れたの。エンドクレジットというか、NG集というか。
で、ジャッキーチェンの映画プラス、、
俺、映画館に行って絶対見るって映画っていうのがあって、それが「アメコミ映画」なのね。SFとか。
「マーベルヒーロー」が大好きで。で、マーベルヒーローものって実は全部連作になってて、、エンドロールが終わった後にさらに予告みたいなのが付いてくるの。「次、見に来いよ」的な。それのイメージもある。だから「The Next Page」次の予告っていうか。思いっきりそのタイトルにした(笑)
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
アルバムを通じて、、多分これは歌詞やタイトルのつけ方で他のバンドと違う所なんだろうけど「非現実」の世界を伝えるよりも「音源もドキュメント」っていう。自分たちの活動とリンクしている表現にしたいなって。この曲は自分たちのことを歌ってる。
ファーストアルバムの1曲目に入ってる「Introduction」っていう曲は「はじめましてATATAです」っていう歌詞を書いたんだけど、その時は俺のことが書けなくて。メンバーのことからPAのアソウくんのことまで歌ってるんだけど「俺のこと」は恥ずかしくて文字にできなかった。
でもいつか「俺の紹介もしてみたいな」っていう部分もあって。この曲は結構俺のことを歌ってる。考え方とか。で、そういう考え方を持っているこのバンドの「次のページ」ってことをやりたい。すごくHIPHOP的だよね。ドキュメントとして聞いてほしい。俺たちがライブをやっていくこととか活動していくこととリンクする。
[AIR]
この曲はMVも公開されていますね。
[奈部川光義]
今までちゃんとしたMVは「Star Soldier」とか「Song Of Joy」みたいな ちょっとバラード調のゆっくりした曲で。。俺たちのライブって基本的に激しいっちゃ激しいから激しい曲のMVもちゃんと1個作りたいってのは前から思ってた。
最初は「Song Of Joy」をMVにするのもちょっと考えたところもあって。「Star Soldier」があの曲調で、この後もまた「Song Of Joy」の曲調だと「こういうバンド」って思われちゃうのかなって。
だから本当は激しい曲にしようかなって思ったんだけど一番シンガロングできる方がみんな解りやすいかなと思って「Song Of Joy」にした。でもやっぱり激しい曲のMVも必要だなって。で、今回この曲を選んだ。
JOY 「俺はこの表現。だけど負けねぇぞ。」
[AIR]
今回のアルバムを通して何か新たに挑戦できたことって何でしょうか?アレンジとかも含めて、、、
[奈部川光義]
オケに関してもね、もっと話せればいいんだけどね(笑)メンバーに任せてるから俺が勝手なこと言うと「違うから」って言われちゃうから(笑)一つ言えるのは今回は一発録りで「ライブに特化した」「ライブをするための音源」だと思ってる。
そのために一発録りにしたっていうのは大きかったと思う。最初、池谷くんとかは一発録りに反対してたんだけどデンカ(大倉大輔 Dr)の名言があって、、あ、「迷う」の方ね。迷言。
「JAZZのアルバムとかって一発どりじゃないですか!!それが音楽なんですよ!!!」
「最初と最後のテンポが違くて何が悪いんですか!人の脈拍だって一定じゃないでしょ!」って(笑)で、こっちも「確かに」ってなって一発録りになった(笑)
[AIR]
一発録りのメリットが十分に活かされた作品になったと思います!ちなみに、歌詞を書くのは夜になることが多いですか?
[奈部川光義]
そう。ひたすらファミレスで。タバコも吸えるし。俺ファミレスが書斎なんだよ(笑)パソコンとかあると他のことしちゃうからね。携帯は持って行くけどあくまでも「調べるだけ」の道具にして、アナログに紙とペンだけで。もう紙が真っ黒になるまでバーーーッと書いて、で最後にパソコンで清書する。
[AIR]
アルバムを通して歌詞の「独特の世界観」や「韻を踏む小気味良さ」「言葉の強さ」がさらにパワーアップした印象でした。
[奈部川光義]
ちゃんと小説みたいにストーリーがある歌詞をかける人っているじゃん。いるんだけど、俺の好みとしては「散文詩」が好きで。「一文の強み」っていうか。全部意味になってなくていいからドキッとする言葉が並んでる感じが好き。
photo by 冨田味我
[奈部川光義]
トータルとして何かはよくわからないけど、でもこの言葉だけ異様にひっかかるみたいな感じ。そういう文章がいっぱい並んでるとそれぞれの「引っかかり」も多いかなって思ってて。あんまり固めちゃうとリンクする人が限られちゃうけど「強い一文」をいっぱい並べておくと色んな人に引っかかるかなって。
[AIR]
確かに「強い一文」の連続で構成されていますね。
[奈部川光義]
でもまだまだなんだけどね(笑)日本語で書き始めてからキャリアが少ないから。ファーストの頃と比べたら自分の中でもスキルアップしたかなとは思ってるけど。さっき言った「散文詩」は好きなんだけど、それを逃げにはしたくないから。武器にするためのスキルは身についてきている気がする。あと韻をふむのは韻を踏むと言葉がスッと入ってくる感じがあって。口にも出したくなるし。そういう強みを感じてる。
例えばbachoとかEastern youthみたいな「言葉が強いバンド」と並べられた時に恥ずかしい思いしたくないし、やっぱり肩をならべたい。
俺はこの表現。だけど負けねぇぞ。みたいな。
ありがとうございました!
前回に引き続き素晴らしい話をたくさん聞くことができました!裏話をすると笑い声だらけで文字起こしが大変でした。もう笑いっぱなしで。前回のインタビューではツアーやリリースまでの物語をお話していただきましたが、1曲1曲にスポットを当ててもどんどん出てくる面白いエピソードに感激しました。
2016.9.22 (祝・木)に渋谷TSUTAYA O-WESTにて行われるATATA ONE-MAN SHOW!!!は6月3日からチケット先行販売スタートです!
その他のライブ情報もページ下部にありますので、是非本インタビューを読んで改めて音源もチェックしてライブハウスに足を運んでみてはいかがでしょうか?
ちなみに写真右がATATAグッズを全身に纏った僕です。いきなり登場してすいません。
次回は「ATATA 金田 雅史Ba 独占インタビュー 〜最上級生の患者を〜 (仮題)」をお送りしたいと思います!
お楽しみに!!
取材場所:kate coffee
取材・文:雲丹亀 卓人
First Mini Album (CD)
ATATA『JOY』
First Mini Album (CD)
ATATA『JOY』
DIEMES Inc. / DMSI-002 / ¥1,800 (without tax)
(JAPAN MUSIC SYSTEM distribution)
2016.6.1 (Wed) IN STORES!!!
01. Newborn
02. Reverberation
03. Clark Kent
04. 1 Nite Wonder
05. Song Of Joy
06. The Next Page
12inch LP (Picture Record)
ATATA『JOY』
12inch LP (Picture Record)
ATATA『JOY』
FLAKE SOUNDS / FLAKES-150 / ¥2,500 (without tax)
NOW ON SALE!!!
SIDE A)
01. Newborn
02. Reverberation
03. Clark Kent
(SIDE B)
04. 1 Nite Wonder
05. Song Of Joy
06. The Next Page
First Mini Album (CD & Photobook)
ATATA『JOY』(ライブ会場限定)
First Mini Album (CD & Photobook)
ATATA『JOY』
DIEMES Inc./ DMS-001 / ¥3,500(without tax)
NOW ON SALE!!!
※ライブ会場限定のアルバムとなります(同内容)
■CD付きハードカバー写真集(大型B4サイズ:33cm×29cm)
■総勢14名のカメラマンによる48ページに渡る800枚以上のライブ写真を収録
■1,000枚限定生産(ツアー会場限定盤)
More Info:http://atataweb.com/release/
ATATA ライブ情報
2016.9.22 (祝・木)
渋谷TSUTAYA O-WEST
ATATA Presents
[ATATA ONE-MAN SHOW!!!]
open 17:00 / start 18:00
adv 2,500yen / day 3,000yen (税込・ドリンク代別)
http://andithereport.com/atata-joy/
2016.6.4 (土)
幕張メッセ国際展示場9〜11ホール
PIZZA OF DEATH MANAGEMENT Presents
[SATANIC CARNIVAL’16]
2016.6.5 (日)
下北沢ERA
ATATA Presents
[ERA 14TH ANNIVERSARY]
2016.6.11 (土)
甲府 神金村神スタ広場
THE NO EAR Presents
[GIANT LOOP FES 2016]
2016.6.18 (土)
大阪Pangea, CLAPPER, BRONZE, HOKAGE, SINKAGURA
RAZORS EDGE Presents
[STORMY DUDES FESTA 2016]
2016.6.19 (日)
名古屋APOLLO BASE
G-FREAK FACTORY Presents
[Too oLD To KNoW TOUR 2016]
2016.6.25 (土)
札幌TOWER RECORDS PIVOT
ATATA Presents
[WE ARE ATATA ARMY!!! IN SAPPORAW!!!]
2016.6.26 (日)
札幌SPIRITUAL LOUNGE
ATATA Presents
[AtAtA × zArAme]
2016.7.17 (日)
下北沢ReG
東狂アルゴリズム Presents
[只今、ハジメマシテ ツアー2016]
More Info:http://atataweb.com/live/
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