東西のお喋りボーカリストが激しく語り合う!!!
「(笑)」だらけの白熱トークセッションが今繰り広げられる!!!
2015年10月7日 6枚目のアルバム『RAW CARD』をリリースし、今週末にいよいよRAW CARD TOUR ファイナルを迎える『RAZORS EDGE』KENJI RAZORSと『JOY』Release Tour真っ只中の『ATATA』奈部川光義。
新作のリリース、そしてツアーでさらに鋭さを増した両バンドの「今」を語っていただきました!!!
ちなみにAND I THE REPORT史上最多の「(笑)」付きの文章になりました。
今の年齢にしてあのハイエナジーなアルバムを出せたのがすげぇなって思いましたね。
Photo by PE−SK
[奈部川光義 (以下敬称略)]
早速、聞きたかった事どんどん話して行きますね。
俺、RAZORS EDGEの音源は全部聴いてるけど今回のアルバムが「1番尖ってるな」って思ったんですよ。
バンドって作品を出せば出すほど長くやってると良くも悪くも音がどっしりと落ち着いちゃうけど「この人たちま〜だ刀振り回すんだ」って(笑) それが一番驚いた。
「よく尖れたな」と(笑)
[KENJI RAZORS(以下敬称略)]
今回は特に「メンバー皆の良いところを出せるようにしたら面白いだろな」と思いながら作ったらこういう曲になって。
「尖らす」って言葉を借りると「わざと尖らした」って感じかな。そこが俺たちの長所。
1stの『THRASH ‘EM ALL !!』も尖ってたけど、あの尖りとはまた違う尖り方。
「磨いて 整えてまっせ」 みたいな(笑)尖りの中にハイファイさも求めてた。
一時期メロディーのある曲をやったりとか、アルバム2枚くらいは「どっしり、ちゃんとした音で作ろう」って思ってやってみたりして。。。その後の2011年にライブで売る15周年のシングルを作った時に「もう低予算で1発録音でやっちゃおう」って作った感触が荒削りで凄く良かったのよね。
それを年月かけて構築したって感じ。
[奈部川光義 ]
「コストパフォーマンスの良い尖らせ方」みたいなのがだんだん解ってきてるから若い頃みたいに闇雲に遮二無二にじゃなくて。。。
[KENJI RAZORS]
少ないエネルギーで最大の尖りね(笑)
[奈部川光義 ]
そうです(笑)それやられると一番怖いっていうか(笑)
グサグサ刺してくるんじゃなくて ちゃんと一発で急所を突いてくる感じですね(笑)
[KENJI RAZORS]
一発で仕留めれますよっていう(笑)必殺仕事人的な。
[奈部川光義 ]
今の年齢にしてあのハイエナジーなアルバムを出せたのがすげぇなって思いましたね。
曲ってどうやって作ってるんですか?
[KENJI RAZORS]
好きなCDを聴いてる時に「いい瞬間」があるとパッと止めて何度も繰り返して聴いて、、
そのうちギターを持って形にして宅録でドラムとか打ち込んで「1ネタ完成!」みたいな。
その作業を物凄くやってた時期があって。。震災後の悶々としてた時期に。
ストックがめちゃくちゃあるの。今回のアルバムもその4〜50曲のネタから再構築した感じ。
でも、制作の最後の方に「曲が足りねー」ってなってKRASH(Dr)と2人でスタジオに入って作った曲があって、、(笑)「WE UNITE」「START TODAY」「素晴らしいPUNK」の3曲。
今回のアルバムの中でもメロディーがある方の曲で、これが楽しかった。
新たに作った自分たちのスタンダードに良い感じのメロディーを加えた「ライブで楽しくできる曲」もやりたいなって。尖ってる所も出せてると思うし。
そういうのもあって最近は家で一人ではあまり作らないでおこうって思ってる。
[奈部川光義 ]
同じ曲でもプロセスが違うと全くちがう出来上がりになりますよね。
RAZORS EDGEって一時期遠距離バンドだったじゃない。大阪に戻ってから何か変わりました?
[KENJI RAZORS]
宅録の頻度は減ったね。結局バンドで合わせてみないとわからないってことが多いから。。
もともと俺がイニシアチブを取ってるバンドだけど宅録で作ってるとソロっぽくなっちゃうからあまりよくないなと思って。バンド感がなくなるっていうか。
[奈部川光義 ]
遠距離時代よくできてたなって。
[KENJI RAZORS]
その時期はライブを今よりよくやってたので顔を合わす機会は多かったからそこで話はできてたし。。。練習はライブ前にスタジオ入ったり、大阪に戻って入ったりとか。
でもそれもしんどくなって来て、それで戻った方がいいなって。
[奈部川光義 ]
4年くらい東京にいましたっけ? 仕事とか何やってたんですか?
[KENJI RAZORS]
デザインとかレーベルの仕事をずっとやった。ただ、あんまり上がりも無くなってきてそれで戻った。
家賃も高ぇし(笑)
[奈部川光義 ]
それでも4年生活できてたんだから凄いですね(笑)
[KENJI RAZORS]
昔はCDも売れてたから貯蓄もあったしね(笑)
なんとなく現状のルールに従ってたらやりたい事できなくなってきてるしね。
そこを変えたらできるんじゃねーかっていう。
取材を行った2月20日はRAW CARD TOUR@下北沢SHELTERにて『RAZORS EDGE』と『ATATA』の共演の日!!
お互いツアー中という事でツアーについても語っていただきました。
[KENJI RAZORS]
今日の組み合わせは何年か前ならなかなか思いつかないメンツだったよね。
[奈部川光義 ]
今回ケンジくんにATATAのスケジュールを送って。。。
これで揉んでくださいって(笑)
[KENJI RAZORS]
エクセルで送られてきたからね(笑)この中から空いてるところで。。。って(笑)
[奈部川光義 ]
レイザーズはいつも優しくて、自分たちが企画とかやるときにも絶対来てくれるのよ。
だからツアーやる時は絶対にどこか出させてくれって話をしてて。やっと一緒にできたっすね。
この日逃すと他ねーぞっていう(笑)
[KENJI RAZORS]
ほんと、お互いのバンドの「らしい」場所で東京公演をできるのが凄く嬉しい。
[奈部川光義 ]
いままでやったツアーで最長はどれくらいですか?
[KENJI RAZORS]
35~6本かな割と回ったね。
[奈部川光義 ]
すごいですね。
今回結構ギュッと詰めたツアーにした理由は何か考えがあったんですか?
[KENJI RAZORS]
単純に割といま仕事の都合で土日しかライブができないからそういうツアーにしようかと。本数も減らしてタイトな感じで。
実は行きたいけど行けない場所が何箇所かあって、それが凄く心残り。このツアー終わってからでもまた行けたらなぁって。
難しいよね。 やりたい気持ちとやれない現状と。
[奈部川光義 ]
こっちの思いだけで行って「形になんのか」っていう部分もあるしね。
[KENJI RAZORS]
迷惑かけてるだけじゃないかと思っちゃったりするし。
ATATAは何箇所?
[奈部川光義 ]
今回は9箇所。全部入場無料ライブなので。。(笑)
無料でやろうってなってから「どこまで行けるだろう」「最低限お客さんがパンパンになる場所はどこだろう」って予算を計算して、、、
そしたら9箇所しかなかった(笑)
[KENJI RAZORS]
凄く企画会議したっぽい感じあるね(笑)
[奈部川光義 ]
1番「怪我しない」っていう(笑)
[KENJI RAZORS]
お客さんがたくさん入ってグッズが売れて売り上げが出せるって場所だもんね。やっぱり。
[奈部川光義 ]
いろんな状況でベストが9箇所だった。
でも本当は福岡とか北海道とかにも行きたかったけど。。。
それが心残りで、なんかムカついたからエクストラツアーを今組もうとしてる(笑)
ツアーも4箇所終わって「あ、この平均で行けば終わった時にこのくらいの上がりになるから。。移動費を賄えるかな?」って予測は立ったかな。
やっとそういうことが考え出せるようになってきたっていうか余裕が生まれてきた。
ツアー始まるまではわからないですから(笑)
[KENJI RAZORS]
ATATAってバンドをやって年取っていく中で続けるための「技術」とかバンドの「組織力」とか「ビジョン」のプロトタイプになりつつあるよね(笑)
[奈部川光義 ]
最近は「昼にライブをやるという文化」を根付かせようかと。
昔本で読んでたNYハードコアのシーンって「未成年は夜来れないから昼間にライブをする」とか色んな方法論があったりして、、今の自分たちの置かれている境遇に照らし合わせたら凄くマッチする。
[KENJI RAZORS]
なんとなく現状のルールに従ってたらやりたい事できなくなってきてるしね。
そこを変えたらできるんじゃねーかっていう。
[奈部川光義 ]
家族も子供も来てくれたらいいなって。
先週の仙台も家族連れで子供が5~6人は来てて。
東京だと昼ライブやってるところもあるけど地方だとまだ「え、昼間ですか」みたいな感じがあるのでこれを根付かせたらちょっと変わってくるのかなって。
昼間だとライブハウスを借りるの自体が凄く安いんですよね。ライブハウス側はその日の夜のライブでも稼げちゃうから。
[KENJI RAZORS]
二毛作だよね(笑)
大阪でも昼の部をやってるところはあまり無いと思う。
今度ATATAのライブが心斎橋のPangeaであるけど、昼にやるの初めてって言ってたし。
Photo by Rina Kim 引用元:http://bit.ly/1Qv84PY
[KENJI RAZORS]
昼のライブスタートって何時なの?
[奈部川光義 ]
11時30分オープンの12時スタートですね。
[KENJI RAZORS]
それはそれでちょっと早いんだよね(笑)
[奈部川光義 ]
早いですね(笑)
[KENJI RAZORS]
2部構成でライブハウスが喜ぶとしたらその時間でやるしかないけど、、、(笑)
例えば地方で15時16時から始めて「その日はそのライブだけ」みたいなのでも全然アリだよね。
面白いのが昼間のその時間だと遠征でお客さんも来てくれるのよね。
日帰りできるから2~3県離れてても好きな人は来てくれる。
「あの場所であのバンド見れるの初めて! 面白いかも!」って。
[奈部川光義 ]
色々そういうことを考えると「あ、年取ってもまだツアーいけるな」って。
[KENJI RAZORS]
皆の負担をできるだけ減らしながらね。
音から体感できるフィジカルさはパンク好きな子に知って欲しいと思う。
それがいわゆる「パンクマナー」っていうかさ。そういう人達がいなくなると困る。
[奈部川光義 ]
これからRAZORS EDGEはどうしていきたいですか。
[KENJI RAZORS]
いかに限られた時間を効率よく使うかばっかり考えてるね(笑)
「あれ?バンドするってこういうのだっけな?」ってなるけど(笑)
[奈部川光義 ]
効率化してかないとバンド自体ができなくなるていうのはありますね。 年齢的にも。
[KENJI RAZORS]
ATATAとか見てたら役割分担がしっかりしてて凄く参考になる。メンバーとの情報のやりとりの仕方とかも。
奈部川くんに教えてもらってRAZORS EDGEのLINEグループ作ってやりとりするようになったし(笑)
[奈部川光義 ]
便利ですよね。 言った言ってないとかならないから(笑)
RAZORS EDGE20周年。。。
20年やってて変わんないことは変わんないけど変わらなきゃいけないこともいっぱい出てくる。
自分たちが好きでもパンクとかハードコアって「一般的」にならないことって百も承知じゃないですか。
それでもやっぱりやりたいって気持ちがあるから色んなこと考えて試行錯誤していくしかないですよね。
[KENJI RAZORS]
やっぱりやりたい事や好きな事を上から選んで行って、それを優先させたら我慢したりしなきゃいけないこと増えるからね。
もうそれがストレスになっちゃってできなくなると辞めちゃうんだろうね。
[奈部川光義 ]
今回の音源も合わせてなんだけど、ケンジくんの世代がやってる事ってこれから30歳迎える人、40歳迎える人にとって「いい教科書」になるんじゃないのかなって思うんですよ。
こじんまりする必要なんかないっていうか。
[KENJI RAZORS]
42~3歳の人があんな曲作ってあんなライブしてるっていうのを今の若い子が42~3歳になった時に
「まじで? ケンジなにしてたの??」みたいに思わせたいのよ。俺は(笑)
俺たちが例えばGAUZEがノンストップで60曲やったのを見たりすると「疲れた」とか「年取った」とか言ってらんないじゃんって思う。
でも若者にそんなんやられると俺らも困るからね(笑)若者がクソ元気でクレバーだったら絶対に勝てない(笑)
[奈部川光義 ]
そうなんですよ(笑)若い子にやられすぎると困っちゃう(笑)
居場所がなくなっちゃうっていう。
[KENJI RAZORS]
まぁ、そういうバンドって俺たちと対バンすることもなくポーンとごぼう抜きして行っちゃうよね(笑)
「あれっ? 接する機会なかったな〜」って(笑)
[AIR]
いまケンジさんが地元大阪で気になってる若手バンドとかいますか?
[KENJI RAZORS]
う〜ん。。 俺らが好きだったいわゆる「ベタ」なパンク、ハードコアをやる子が少ない感じがする。
「人気ねーな俺らのジャンル」って(笑)
スクリーモ系?みたいな流れをやってる子達はいっぱいいるみたい。
SPARK!!SOUND!!SHOW!!は面白いと思う。陽気だしミクスチャーなポップで。
しゃべりも面白いし(笑)
[奈部川光義 ]
今のパンク感って「俺たちのパンク感」じゃないっていうか「パンク感」自体が変わっちゃってますよね。
ルーツレゲエとダンスホールってぜんぜん違うけど「レゲエ」っていう括りの名前じゃないですか。それと似てて。。(笑)
ルーツパンクみたいなのと、いわゆる売れてる感じのパンクって全然違くて(笑)
RAZORS EDGEの「尖ってる」パンク感って知っとくべきだと思うんですよ。
おやじの小言じゃないけど(笑)
「これがあって派生していくんだよ」と伝えたいですね。
[KENJI RAZORS]
今の若い子たちに是非ね(笑)
こういうエクストリームもありますよっていう(笑)
エクストリームは絶対に年齢問わず皆が好きなテーマの1つだと思う。
1つの形として「激しいものを聞きたくて仕方がない」って人は絶対いるから。
[奈部川光義 ]
ちゃんと「この人たちは音だけじゃなくて フィジカルなんだよ」と。
激しさが(笑)
ミキシングじゃないんだよっていう。音から体感できるフィジカルさはパンク好きな子に知って欲しいと思う。
それがいわゆる「パンクマナー」っていうかさ。そういう人達がいなくなると困る。
パンク自体がバーチャルなものになっちゃう。
いかにして若い子たちに伝えようかっていうのがテーマだったりしますよね。
こっちの方がヤベェっていう事を提示していかないと。
ありがとうございました!!
なべさん、ケンジさん熱い対談ありがとうございました!!
経験を積んだ2人の言葉は決して「おやじの小言」なんかではありません!!
これからもガンガン尖った作品とライブを見せてください!!
ちなみに常に楽しそうな空気が流れている対談でしたので思いっきり笑いながら文字起こししました。
取材場所:kate coffee
『RAZORS EDGE』『ATATA』両バンドのスケジュールを要チェック!!!!!
『RAZORS EDGE』は今週末2月28日いよいよRAW CARD TOURファイナル@心斎橋BIGCAT!!
RAW CARD TOUR FINAL
02/28(Sun) 心斎橋 BIGCAT
RAZORS EDGE/ HAWAIIAN6 / SPREAD / Dizzy Sunfist / milkcow / THRH / CROW DRAGON TEA / SUNSET BUS / MEANING
Open:15:00 / Start: 16:00
Adv: 3,300yen / Door: 3,800yen
Ticket 12/19(土) On Sale at :PIA(P:282-907) / Lawson(L:53822) / e+
Info:06-6535-5569(SMASH WEST)
「RAW CARD」特設サイト:http://razorsedgejapan.com/2015/09/09/post-485/
『ATATA』は『JOY』Release Tour真っ最中!! なんと入場無料!!
ATATA『JOY』Release Tour 2016
-WE ARE ATATA ARMY!!! IN JAPAN!!!-
with WSZ80 a.k.a LEF!!! CREW!!!
open 11:30 / start 12:00
adv / day 0円!!!(ドリンク代別)
3/20(日)横浜B.B.street
3/21(月・祝)磐田FM STAGE
4/02(土)高松TOONICE
4/03(日)大阪Pangea
4/17(日)東京FEVER
open 11:00頃(予定) / start 12:00頃(予定)
adv / day 0円!!!(ドリンク代別)
ATATA ONE-MAN LIVE!!!
※入場無料につきチケットの予約・販売はありません
ATATA Official Website:http://atataweb.com/live/