football, etc.来日ツアー記念!!!!

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来月、2015年4月2日より来日ショートツアーが始まる、アメリカはヒューストンの男女3人組インディロックバンド ”football, etc.” 。以前、本誌でもニュースとしてピックアップ致しました。

4日間という短い期間ではあるが、多くの音楽ファンに知ってもらい、時間の許す限り足を運び、”” のサウンドを体感して欲しい。何故なら「空間そのものが未知数だから」だ。全ての『ライブ』に言える事なのだが、やはりPCモニターからは感じる事のできない出来事がライブ会場では起こっている。少しでもその瞬間を楽しむ事ができるように、BandCampやYouTubeを使って、どんなサウンドなのかを事前チェックしておくのもいいと考えている。

そんな中、来日を待たれた ”football, etc.” を招聘した人間が、ここ東京にいる。
それが『キシノハジメ』だ。

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彼を知らない読者も多いと思うので、簡単に紹介する。

1984年、東京はあきる野市生まれのベーシスト。
malegoat”、”Husking Bee“、そして”Neoteny”というバンドで活躍中だ。

https://twitter.com/the_lost_boys

丸いメガネがトレンドマークで、以前来日(2013年に ”& RECORDS” が招聘し実現した)した、新しいエモの歴史を作っている”THEIR / THEY’RE / THERE” のメンバーでもある “Into It. Over It.” こと ”Evan Weiss”の体にも彼のトレンドマークメガネのタトゥーが彫り込まれているという人間。

 

そのタトゥーがこちら。

my dude #hajime #malegoat #tttjapan

Evan Weissさん(@intoitoverit)が投稿した写真 –

 

前置きが長くなってしまったが、 ”football, etc.” 来日記念で、本誌へミニインタビューに応えてくれた。彼がどのような人生を歩み、どのようにして来日ツアーのブッキングを行ったのかを聞くことができた。

 

 

 

『”いつか自分でやりたいな”とは考えていた。それが今回のタイミングになった』

[AIR]
今回、インタビューに応えてくれてありがとうございます。
いよいよ開始する”football, etc.” ジャパンツアー。来日を待っていたオーディエンスも多いと考えられます。今回、どのような形で招聘する経緯になったのですか? 

 

 [キシノハジメ(※以下、敬称略)]
ありがとうございます。
招聘の経緯は、”football, etc.” の現ドラマーであるダニエルが、2013年に ”Pswingset” というバンドで来日し “malegoat“で共演して友達になったんだ。彼は、”Pswingset” のマットと2人で “papermoon“ってバンドを別でやってて、音源が名古屋にあるインディロック等のリリースをする “stiff slack” からリリースされて(US盤はinto it. over it.のエヴァンのレーベルから)めちゃくちゃハマったんだ。

football, etc.” というバンドを活動している事を以前から知っていたし、単純に彼女達のファンだったから日本呼ぼうと思ったんだ。ダニエルが去年から加入した事も知ってたしね。コンタクトを取ったのが去年(2014年)の11月だったから、凄まじいスピード感で色々と決まっていったんだ。

 

[AIR]
かなりタイトに決まったんだね。ただ、面識が無い訳ではなく、以前にキッカケがあったのは大きいね。自身で海外バンドを招聘するのは初めてですか?

 

[キシノハジメ]
招聘は初めて。自身が参加しているバンドでも経験は無い。

stiff slack” はじめ、来日ツアーのサポートでの共演は結構ある。また、最近では来日バンドの運転手や、ギターテック(バンドのローディーのような役割で、楽器のメンテナンスなどを担当)をやり、ノウハウは学ぶ事ができたので「いつか自分でやりたいな」とは考えていた。それが、今回のタイミングになった。

 

[AIR]
なるほど。
OWEN” や ”Into It. Over It.”、”THEIR / THEY’RE / THERE” の来日ツアー時もスタッフとして動いてましたね。先日の ”mineral” の際も出演のみならず、裏側でもしっかりサポートしてるな…と。バンドではなく、あくまで「個人」として招聘したのは何故?

 

[キシノハジメ]
それは単純に色々と面倒だったから(笑)
勢いで行動する性格だから、気持ちが前へ前へって乗ってる時に、色々と挑戦してみたい。実は、次に招聘したいバンドともコンタクトを進めているんだよね。後は、やっぱり、バンドや集団で招聘を行ったりすると、意見が割れたるする場合も多かったから、個人でやってみようと思ったんだ。

”Into It. Over It.” が来日した時かきっかけでエヴァンと仲良くなったんだ。

malegoat(※キシノハジメがベースを弾く”malegoat”とエヴァン)

mineral” が本国アメリカツアーを行う際に、ツアーサポートを”Into It. Over It.”が同行する事を聞いて、すぐに連絡をしたんだ。エヴァンに「1週間くらい休みを取れるから、アメリカツアーに同行させてくれ」と。そしたら「you can ride with us」って返事があってね。すぐアメリカへ向かったよ。英語も話せない俺に、みんな優しくしてくれて最高に楽しかった。エヴァンが入れた俺の眼鏡のタトゥーがあったおかげで、「誰あいつ?」みたいにならなかったし(笑)
あんなに密に過ごせたのは本当いい思い出。通常はアコースティックでライブを行う”Into It. Over It.” だけど、バンドセットも観れたし。さらに “mineral” もいっぱい観れたしね(笑)

 

[AIR]
そうそう(笑)
ハジメ氏がエヴァン氏のインスタグラムに登場してきた時は驚きました。

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[キシノハジメ]
エヴァンのインスタグラムにみんなが反応していて嬉しかったです。

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『時代の流れより自分達の核にあるものを大切にしている』

[AIR]
本誌読者の方には ”football, etc.”  を聴いた事のない方も多いと思います。簡単にご紹介を。

 

[キシノハジメ]
ストレートでシンプルなんだけど、琴線に触れるメロディーや楽曲が沁みる。近年、音を詰め込みまくった曲をプレイするバンドが増えてきたけど、シンプルで感傷的なサウンドに触れると、心が浄化される気分になるね(笑)
あと個人的に、女性ボーカルのバンドが好きだからたまりません(笑)

2007年くらいにギターとベースが前身バンドを組んで、その後、テキサスに引っ越したタイミングで ”football, etc.” になったみたい。ドラマーは結構変わっていて映像や写真見るたびに違う人がいる。ダニエルになったのは約1年前。

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Fugazi / mineral / Rainer Maria / Pedro the Lionに影響受けたと言ってるね。そして今もそれは変わらないみたい。時代の流れより自分達の核にあるものを大切にしている。最近友人が行ったメールインタビューなので、チェックしてみて欲しい。
http://dremotal.tumblr.com/post/114042550992/4-us-football#_=_

 

[AIR]
今回の来日ではじめて ”football, etc.” を聴きました。”Rainer Maria” からの影響も見えつつ、あらゆるインディロックやEMOを独自に解釈してるんだなぁと。メロディが頭に残りますしね。

 

[キシノハジメ]
かっちりし過ぎない少し緩い感じが、リアルタイムEMOバンドの雰囲気を追ってる感じがするね。

 

 

『バンドに還元することを考えた。』

[AIR]
今回は、東京2日間、大阪、そして名古屋の合計4日間のツアーですが、当初からショートツアーを想定し交渉していたのですか?

 

[キシノハジメ]
彼女たちは、割と日本人に近いのか、長期休暇を取る事が難しいみたいなんですね。
滞在できる日数等、指定してきた範囲でツアーを設定して、4日間にするのか、または5日間ににするのかを決めたんだ。この2パターンを俺の方で用意して、彼女達に選択してもらった。
ダニエルが、前回 ”Pswingset” で来日した際、余裕を持った時間が取れずにハードだったから、今回は観光も兼ねてゆっくりしたいって事で(笑)公演日前後にオフ日を作って、ゆったり遊ぼうかなと。

また、日本である程度の利益を出せて、バンドに還元することを考えた。このくらいの短い日数で、しっかりお客さんに来てもらう方がいいかなって。俺の生活もあるから赤字も出せないしね。(笑)

 

[AIR]
バンド側が、日本とアメリカのライブの進め方の違いを理解してくれているのは大きいですね。

 

[キシノハジメ]
ダニエルが来日経験があるのが大きい。だから俺の幼稚な英語でも、しっかりと理解し合えた。更に彼はコミュニケーションもマメで、メールの返信も早く、お互いスムーズに進める事ができたよ。

 

 

『俺はもってるよ(笑)』

[AIR]
stiff slackからのリリースされた『Disappear+2』は今回のツアーに合わせてのリリースだったのですか?

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[キシノハジメ]
これは完全に偶然。結果的に理想的なタイミングでリリースする事ができた。
録音も、J.Robbins (JAWBOX / BURNING AIRLINES etc)のスタジオで気になるじゃん。

 

[AIR]
偶然が重なるってあるんですね。持って生まれた天性的な何かを感じます。

 

[キシノハジメ]
俺は持ってるよ(笑)

 

[AIR]
4日間のツアーの際、各会場に共演者がいます。こちらの対バンはどんな感じで決めたのですか? Twitterにて、ほとんどのバンドの調整がすんなりいったと書いてましたが。

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[キシノハジメ]
基本的には、ダニエルと一緒に考え、オファーさせて頂きました。
リクエストしていたバンドに関しては、全てOKの返事を頂けて、ダニエル自身も大喜びしてたし。初日出演の “Blue Friend” は彼らから申し出てくれたし、”uri gagarn” は興味を持ってくれたし、他にも全バンド ”football, etc.” との相性がいいと考えオファーした流れです。

 

 

ピンと来たときに動くと結果いい具合になるもんです。というか、そうする流れを作るというか。

[AIR]
最後に、4日間で短い時間だとは思うけど、彼等・彼女等にとってもハジメ氏にとっても、大切なツアーになる事を願ってます。

 

[キシノハジメ]
本当みんなに感謝してる。素敵なツアーになるといいなぁ。ありがとうございます。

 

[AIR]
個人・集団・企業・バンド問わず、海外のバンド・アーティストを可能な限り招聘し、どんどんツアーを実行すれば面白い毎日がやってくるのにと考えてます。勿論、生活はあるので赤字にならないように運用して。今回、ハジメ氏の「行動」に触発され来日ツアーを企画する方が増えてくると思います。むしろ荘なって欲しいですし。そのような方々へメッセージを頂けないでしょうか?

 

[キシノハジメ]
とにかくライブ会場等の現場に足を運ぶことかな。色んな出会いがそこにはある。

失礼になってはいけないけど、遠慮しないでガツガツ行くとビックリするくらい世界が広がる。どっかしら繋がってることもかなり多いしね。世間は狭い!!!! だから、TwitterやFacebook等のSNSは、現場での出会いの幅を広げるためのツールだと思ってる。一度、知り合う事ができれば、今はどうにでも繋がれるからね。

金銭面もライブハウスの人と企画の趣旨をしっかり共有しあえば、やり易い環境や条件を教えてくれるし。宿泊も友達の家に泊めさせてもらったりするんだけど、そういうのも色んなとこに行って繋がった結果だと感じているし。

あとは勢いとタイミング。俺は勢いだけなんだけど(笑)
ピンと来たときに動くと結果いい具合になるもんです。というか、そうする流れを作るというか。動こう!!!!

 

編集後記

キシノハジメ氏とは、よく「ライブ会場」で会う。
彼が言っている通り「行動」していかないとスタート地点にすら立つ事ができない。国外のバンドを招聘する事は、想像を絶するほどに大変な事ではある。であるが、とにかく楽しい。”自分の好きな音楽”を”自分の街”で観る事・体感する事の喜びは、その「大変な事」をそう思わせないほどに心地よい。

是非とも”football, etc.” の来日公演へ足を運んで頂き、バンドはもちろん、彼にも直接話してみてはいかがだろうか。

また、現在キシノハジメ氏は、東京新代田にあるコーヒースタンド『RR』にて、カキ氷の販売を行っている。

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■スケジュール
4月2日(木)東京 渋谷KINOTO
4月3日(金)大阪 心斎橋HOKAGE
4月4日(土)愛知 名古屋TIGHT ROPE
4月5日(日)東京 八王子RIPS

詳細はイベント特設サイトでご確認いただけます!!

新しい情報は、Twitterにて。

 

参照
Hajime Kishino Instagram

Into It Over It Instagram

Football, etc. facebook



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